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【バイオマス発電保険/外航貨物海上保険】「好奇心+行動力+専門知識」で次世代の新ビジネス開拓をサポート

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PROFILE

乾 昌裕(海上保険部長)
■出身:静岡県/慶応義塾大学 法学部政治学科
■趣味: 読書(最近、帚木蓬生さんの本を読んで感動しました)

乾昌裕。彼が担当するのはバイオマス発電にかかわる保険と外航貨物海上保険。さらにアグリビジネス向け保険の可能性も追求しているという。一見、関係のなさそうな3つの分野。だが、いずれもおうせいな好奇心と行動力、そして深い専門知識を武器に、新しいビジネスのトレンドをつかみ、保険を提案している。乾の行く先には、必ず「ビジネスのフロンティア」があるのだ。

アグリビジネス向け保険を開発したい

「これは新しい保険領域を切りひらけるのではないか」。そう直感しました。中国地方にある、最先端スマート農業を展開している企業の現場を訪問したときのことです。私はいま、再生可能エネルギーのひとつである、バイオマス発電に関わる保険を担当しています。バイオマス発電とは石油などの化石燃料を除く、動植物由来の有機物(間伐材や食物残さ、家畜の糞尿等)を燃料とする自然にやさしい発電方法です。私が訪問した企業は、バイオマス発電により得られた電力により施設運営に必要なエネルギーをまかない、クリーンエネルギーを追求すると共に、野菜栽培に不可欠な暖房、除湿、炭酸ガスも調達できる循環型の施設運営を展開するというものでした。

いままで、自然の影響を大きく受ける農業はリスクはまさしく「お天気任せ」で予測不能であるため人間が管理しにくく、保険の対象にならないと考えられてきました。しかし、この企業がやっているような最先端スマート農業だったら、我々が工業製品を製造するメーカーに提供しているリスクマネジメント手法が提案しやすい。保険が役に立つこともあるのではないか。そう思って、いま、こうした最先端スマート農業向けの保険について、企画を練っているところです。

農業は“食”という生活の根幹を支えるとても大切なもの。実はこの分野を勉強して以外に思ったのは、農作物輸出国のベストスリーが、アメリカ・オランダ・ブラジルだったことです。日本には、アメリカやブラジルのような広大な土地を使った農業はできません。オランダのように狭い土地を効率的に活用した手法があっていると思います。そんな取り組みを保険面で支援できれば…その可能性を探っていきたいですね。

「チーム・バイオマス発電」の一員として

最先端スマート農業を展開している企業との出会いは、偶然でした。仕事がら、バイオマス発電の普及や啓蒙をめざす協会と関係を構築していて、そこのスタッフの方から、「相談に乗ってあげてほしい企業がある」と紹介されたのがきっかけ。

正直、「保険の契約にはつながりそうもない相談だな」と思いましたよ(笑)。でも、引き受けました。バイオマス発電はまだ黎明期。風力発電や太陽光発電でしたら専門に様々なサービスを行う会社があります。でも、バイオマス発電ではまだまだ情報が少なく、かつ地方にいらっしゃる企業様でしたので、100億円を超える投資にあたり、バイオマス発電に関係するものとして、そうした不安にこたえていくのもひとつの使命と思って、引き受けたのです。

結局、そのときのご縁で、この企業様と強固な関係を築くことができ、保険の契約をいただきました。そして、新しい保険の開発のヒントをもらえたわけです。

バイオマス発電については、国や地方自治体が積極的に企業を応援しています。「植物が大気から吸収した二酸化炭素を再び大気に戻すだけなので、大気中のCO2を増やさない(カーボンニュートラル)」「太陽光や風力といったほかの再生可能エネルギーとは違い、つねに屋内で発電でき、天候に左右されず安定的に電力を供給できる」という大きなメリットあるからです。

さらに、さまざまな立場、さまざまな観点からのメリットがあります。たとえば産業振興の観点から、大企業は海外から燃料を大々的に輸入して、大規模な発電事業を推進しようとしています。地域の森林関係者は手入れがなされず荒廃している山林の復興の観点から、間伐材の活用法として関心をもっており、地域密着型のビジネスを展開することにより、町おこしの一環としてバイオマス発電を考えています。また地方自治体によっては、産業廃棄物や生ごみを燃やして発電することで、ごみの効率的な処理とエネルギーの地産地消という一石二鳥をねらっています。

いわば、日本全体でバイオマス発電を盛り上げようという「チーム・バイオマス発電」といえるネットワークができつつあります。私たちは「チーム・バイオマス発電」の一員として、保険によるバイオマス発電の事業リスクのヘッジという観点から貢献していけたら良いなと考えています。

他にも様々な相談事がバイオマス発電に関してよせられます。たとえば、太陽光や風力といった、自動的にエネルギー源が供給される発電方式と異なり、バイオマス発電は燃料を供給し続け、燃やし続けることが必要になります。供給がストップしてしまったらという不安があり、このような事業中断回避のための保険を提案したりすることもあります。バイオマス発電にかかわるみなさんと情報交換し、知恵をしぼり、意見を出しあいながら、新しい保険商品をつくりあげていける。それが、この仕事の大きな醍醐味と言えるかもしれません。

いま必要とされるビジネスを支える保険を

新たな保険商品を開発するだけでなく、従来からある保険商品に新たな役割を与えることも、私の仕事。たとえば外航貨物海上保険。これは、国際間を輸送される貨物を対象にしたもので、輸送中に発生した損害を補償する保険です。火災保険や自動車保険と比べると少しニッチな保険なのですが、貿易をする方々のビジネスリスクをヘッジするものであり、「最古の保険」と言われ、いつの時代も必ず必要とされるものです。

この外航貨物海上保険が改めて脚光を浴びています。というのも、ひと昔前までは、貿易は商社を中心に専門知識をもつ人たちが取り組むものでした。外航貨物海上保険について、よくご存知のプロばかり。私たち保険代理店が説明をする必要はない。ですが、最近はインターネットが普及し、誰もが気軽に海外の企業との売買ができるようになりました。外航貨物海上保険について、さほど詳しくない方が主役です。私たちのように専門知識をもったプロの助言を必要としているのです。

たとえば、北海道で広大な農場を経営されているお客さま。「海外からトラクターや肥料を輸入したい」というご希望をおもちでした。ですが、近隣には外航貨物海上保険の専門家が見つからない。そこで、遠く離れた私たちにご相談されたわけです。

また貿易は時代を写す鏡のようなもの。そのときどきで、輸出入されるものは変わっていきます。最近は中国に日本の化粧品を輸出したり、韓国から美顔器を輸入したりと、美容に関係する商品の動きが活発であることが、新開等でもとりあげられています。私がいつも心がけるのは、ではそういった企業様とどうしたら出会えるのか、接点を見つけたら良いかを考え、具体的に行動します。時代の動き、ビジネスの流れがヴィヴィッドにわかるのも、貿易にかんする仕事に従事することのおもしろみのひとつです。

時代を読み、いま必要とされる事業、伸びていくビジネスを、保険で支えていくことが私たちの役割。そのためには、たくさんの人と会うことが大事になります。私はもともと人と会って話をすることが大好き。おうせいな好奇心や行動力が私の強みであると思っています。

農業でもエネルギーでも貿易でも、現場の人たちは熱い想いをもっています。そうした方々をしっかりとサポートするのが保険の役割であり、私たちの仕事であれば良いなといつも考えております。

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